乗っているユーザー様には申し訳ないですが、正直「よく乗っていたものだな・・・」と驚きを感じずにはいられません。
この車輌、車検を継続したばかりです。タイヤのエアバルブが損傷して修理に入庫した新規の顧客ですが、乗ってみてどうも調子がおかしいと思い、調べてみました。
当社では、過去の整備履歴を確認してから整備に臨みます。的確な判断をする為には、必要な事だと捉えているのは過去にも述べさせていただいた通りで、無駄も省きたいからでもあります。
ところが・・・記録簿は、誤記入と未記入ばかり。
装備されていない装置まで、点検良好のチェックが入っています。そして車輌状態は、オイル漏れがかなり酷く、ブレーキは点検した形跡もありません。勿論、ブレーキオイルも漏っていました。俗に言うペーパー車検のようです。
この様な工場を増やしてしまった原因は、国の法改正や日本というお国柄もあると思います。身近な例を挙げれば、携帯電話の各キャリア間の価格競争もそうですね。お互いが目先の価格や契約数の増加の為に、無謀な争いを展開した結果が、株価の大幅な下落に繋がっています。
本質は、「何のために点検整備や車検を行うか?」という事ですね。そこに安全や安心が無ければ、やる意味が無いのです。目先の価格の為に、安価→手抜きが蔓延る状況が問題でしょう。
ですから、車輌状況も過去の整備履歴も確認しないで、「車検○○円!」なんて提示出来る方が不思議なんです。
目先の価格と命を守る安全、安心。どちらも大事ですが、どちらが優先なのか?この選択肢も現在の法律では、車輌ユーザーに委ねられています。しっかりとした判断が求められています。
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